相続に関する手続き

相続手続きの流れとしてを大まかに記すと、

  1.  法定相続権のある方の調査確定(相続人の確定)、
  2.  相続財産(遺産)の調査確定、
  3.  遺言有無の確認
  4.  相続財産の分け方の協議(遺産分割協議。相続放棄や限定相続の意思表示も含みます。)
  5.  相続税の対象であれば、その申告と納税
  6.  遺産の名義変更、口座移管

となります。
このうち、6.の名義変更、口座移管をゴールとした財産面での手続きを総称して一般に「遺産整理業務」と呼ばれます。
これについては、こちらで詳しく説明しておりますのでご覧ください。


手続きの流れ

同時並行で進めることができるステップもありますが、早め早めの取り組みほど後の時間的余裕ができます。

1相続人の確定相続人の方に被相続人と相続人全員の戸籍・除籍謄本等を市区町村役場から取り寄せていただき、どなたが法定相続人となるのかを確定いたします。なお、戸籍の取得代行も承ります。
2遺産調査、財産目録の作成・交付相続人等関係者の方からご提示いただきました資料を手掛かりに、財産や債務について明細を調査のうえ、財産目録を作成し、交付いたします。
3遺言有無、有効性の確認有効な遺言があると、原則として遺産の分割は遺言の通り執行されることになります。
例外は、相続人全員の合意により遺言に基づかない分割をする場合、または、遺言を執行することにより遺留分を侵害された相続人が侵害額請求を行う場合です。
いずれにせよ、遺言の有無や有効性の確認はできるだけ早く行っておくべきです。
4遺産分割協議書作成のお手伝い遺産の全容が確定した段階で相続人のみなさまで遺産の分割協議をおこなっていただきます。相続人全員が合意されましたところで、当事務所が遺産分割協議書作成のお手伝いをいたします。
5相続税の納付に関するアドバイス遺産の額が一定額を超えると、相続した割合に応じて相続税が各々の相続人にかかってきます。遺産分割協議の内容にしたがって各相続人の相続税納付について提携する税理士とともにアドバイスいたします。原則として、相続の開始の翌日から10ヶ月が申告・納税の期限ですので、早めの手続きがお勧めです。
6遺産分割・承継手続き遺産分割協議書に基づき、不動産、預貯金、株式などの財産について、名義変更、口座移管や換金処分(売却・解約・外貨両替等による現金化)の手続きを行います。不動産登記はご自身でなさるか、提携している司法書士に依頼します。そのうえで遺産を引き渡しします。金融資産は口座移管による承継または換金処分した現金を口座振込します。不動産登記を依頼された場合は登記識別情報をお渡しいたします。
また、相続税納付の代行や相続登記等の費用の支払いをいたします。

相続人の調査確定

どなたが法定相続人となるかは、お亡くなりになった方(被相続人)の出生から(*)亡くなるまでの戸籍を取得し、戸籍上の親族関係を確認するところから始まります。
(* 実務的には、10歳ごろからの戸籍でもよい)
注意を要するのは、離婚・死別歴がある場合の前婚でのお子さんの有無、養子縁組前に生まれた養子のお子さんの有無、配偶者・子供・両親がおられない場合における兄弟姉妹の代襲相続関係、などです。

遺産の調査確定

遺産が居住していた不動産や銀行預金などの限定される場合は比較的確定が容易ですが、それでもご家族が知らない預金口座や株式取引がおこなされている場合もあります。
さらに個人企業を営んでおられた場合は事業用資産が自宅とは別の事業場(事務所や作業場)にあって、その確認に手間取ることも考えておかなければなりません。

また、遺産にはプラスの遺産だけではなく、マイナスの遺産、すなわち負債も含まれます。負債の額が大きいときは、相続放棄も一つの選択肢として考慮しましょう。

遺言の確認

遺言の形式には、公正証書遺言と自筆証書遺言があります。

公正証書遺言は、遺言を遺そうとする方が証人同席のもとで公証人の面前で遺言の内容を口述し、公証人が遺言書としてまとめたうえで、公証役場に保管されます。信用力が非常に高いので、公正証書遺言があれば基本的にはその通りに遺産が相続されることになります。

一方、自筆証書遺言は要件に基づいた書式でご自分で作成し、ご自分で保管するものです。ご本人が間違って作成すると信用力に劣る場合、あるいは信用力を否定されることもあります。さらに、悪意のある者による改竄を疑われる場合もあるでしょう。

近年では法務局による自筆証書遺言の保管制度が始まっているので、これを利用しておけば遺言をどこにしまったかが不明とか改竄されたかも、といったリスクはなくなります。

有効に成立した遺言があれば、原則的にはその記載通りに遺産は相続されるわけですが、相続員全員の合意により、遺言に依らない方法で遺産を分割相続することができます。
また、遺留分を下回る遺産しか相続できないこととなる相続人(兄弟姉妹を除く)については、他の相続人に対して、遺留分侵害額の支払いを請求することができます。

遺産分割協議

法定相続割合で相続する場合を除いて、遺産の承継(名義変更)手続きを進めるためには遺産分割協議を行い、合意結果を遺産分割協議書として文書にしておくことが求められます。

遺産分割協議には法的な期限はありませんが、相続税の支払いが想定される場合には納税期限が一つの目途になります。相続税の支払いが想定されないとしても二次相続が発生しないうちに早めに行うことが望ましいです。

当事務所では、相続人の方々の遺産分割協議をサポートし、協議書の作成をお引き受けいたします。

相続税の計算・申告・納税

遺産分割協議の結果を踏まえて提携する税理士により相続税の計算、および申告を行います。
納税は、原則として承継(名義変更)した金融資産により行います。

遺産承継(名義変更)手続き

遺産分割協議書にしたがって各資産の名義変更手続きを行います。
不動産、自動車等については名義変更の手続きになりますが、金融資産については相続人の口座へ資産を移す口座移管という形になります。

これらの手続きを順をおって的確に進めるのは時間と労力がかかることです。お仕事をお持ちで平日に時間がとりにくい方、御身体のご事情で各窓口への往訪が難しい方に代わって、当事務所が提携各士業者と連携して各種手続きを代行させていただきます。
ご不明の点はお気軽にお問い合わせください。

PAGE TOP