犯罪収益移転防止法改正に伴うご協力のお願い

2024年4月1日付で犯罪収益移転防止法(正式には「犯罪による収益の移転防止に関する法律」」」 )が改正され、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士が取引を行う際に依頼者様に確認すべき項目が追加されました。

対象となる業務は、以下の行為の代理または代行を行うことを内容とする契約の締結です。
 ・宅地または建物の売買に関する行為または手続
 ・会社等の設立または合併等に関する行為または手続
 ・200万円を超える現金、預金、有価証券その他の財産の管理・処分
  ※租税、罰金、過料等の納付は除く。
  ※成年後見人等裁判所または主務官庁により選任される者が職務として行う他人の財産の管理・処分は除く。
  ※任意後見契約の締結は除く。

また今後確認させていただく項目は、従来からの運転免許証等によるご本人確認に加えて、
 ・取引の目的
 ・ご本人の職業、法人の場合は事業内容
 ・法人の場合におけるその法人の実質的支配者
などです。

法律改正の趣旨へのご理解と確認へのご協力をお願いいたします。

在留資格「特定活動53号」(デジタルノマド)がスタートしました

 在留資格のうち、特定活動に関する告示が3月29日に改正され、「デジタルノマド」(特定活動53号)の運用が3月31日に始まりました。

活動内容:
 6月を超えない期間滞在して国際的なリモートワーク等を行う者。
 具体的例示としてはリモートワークを行う、IT/ソフトウェア開発、デジタルデザイナー、オンライン秘書や外国企業の事業経営を行う個人が挙げられています。
 外国企業等との雇用契約により外国企業等の事業を行うこと、または外国向けに有償の役務提供や物品の販売(本邦に入国しなければ提供又は販売等できないものを除く)をリモートワークで行うことが必要です。

在留期間:6ヶ月
 6ヶ月を超えて更新(継続延長)をすることができません。
 ただし、連続する12ヶ月の期間内で6か月を超えなければ再度申請することができます。(出国後6ヶ月経てば再申請可)

対象国:短期滞在査証免除国かつ租税条約締結国(49か国・地域)
    家族帯同:特定活動54号により可能です。本人よりも対象国籍の範囲が拡大されています。(70か国・地域)
    こちら⇒で見ることができます。 https://www.moj.go.jp/isa/content/001416527.pdf

留意事項:
  「中長期」在留者にはあたらない(同日改正の入管法施行規則19条の5)とされるため、在留カード・住民票・社会保険・年金・住民税の手続きや納付義務はありません。
 その他の要件として
 ①年収1,000万以上(申請時)
 ②民間医療保険(補償額1,000万円以上)に加入

(参考)
・出入国在留管理庁の関係ページ 「在留資格「特定活動」(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)」
 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities10_00001.html

「相続放棄」と「相続分の放棄」

 日常の会話では「相続放棄」と「相続分の放棄」の区別を意識せずに使うこともありますが、実は大きな違いがあります。相続人の中でこの違いに詳しい方や弁護士など専門家とやり取りするときは特に意識しておかないと、後で行き違いが生まれて揉め事に発展する可能性もあるので注意が必要です。

  「相続放棄」は、相続人が被相続人の権利義務の承継を拒否する意思表示のことをいいます。「相続放棄」は、相続が開始したことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に申述書を提出し、それが受理されることによって認められます。被相続人がご存命中に予め相続人となるであろう方が放棄の手続きをすることはできません。

 相続放棄すると、その方は最初から相続人でなかったことになります。相続に関するすべての権利義務から離れることになりますが、注意が必要なこともあります。たとえば、親が亡くなり子供が第一順位の相続人となって相続放棄した場合に、親の親(相続人の祖父母)がご存命であれば、祖父母が第二順位の相続人になります。また、祖父母は既に亡くなっていて親(被相続人)に兄弟姉妹がおられれば、この方々が第三順位の相続人になります。相続財産中の負債がプラスの財産を上回って相続したくない場合はこれらの相続人全員が相続放棄する必要があります。また、相続放棄するとその子や孫への代襲相続はありませんので、借金を引き継ぐことはありません。

 一方、自分の父の弟である叔父が借金を残して亡くなった場合、その叔父の子も親も相続放棄をすれば、第3順位である父に相続権が回ってきます。もし父が亡くなっていれば、自分が叔父の借金を代襲相続してしまいます。叔父の借金を引き継がないようにするには、自分も相続放棄しなければならないことを知っておきましょう。

  「相続分の放棄」は遺産についての自身の取り分を放棄することです。 相続分の放棄をする場合には特別な手続きは要求されていません。他の相続人に意思表示をして、遺産分割協議書にその旨を記載してもらい、相続分の放棄をした者も含めた相続人の全員が署名して押印すれば成立します。

 相続分の放棄を検討してもよい場合としては、以下のような状況が考えられます。
・多額の生前贈与を受け取っており、法定相続分を上回っている、
・少数の相続人に遺産を集中させたい、
・遺産分割を簡単に終わらせたいケース

 これらのケースのうち、負債はないものの、特定の相続人に遺産を相続させたい場合には、相続分の譲渡をすると良いでしょう。 相続分の譲渡をするときには、譲渡の事実を証明するために、当事者間で「相続分譲渡証明書」を作成すると良いでしょう。

相続登記の申請義務化がスタートしました(2024年4月1日)

 昨日2024年4月1日から「相続登記の申請義務化」が始まりました。これまでは家や土地といった不動産を相続しても、その所有権が移転したことを登記する名義変更(相続登記)は売却や抵当権設定などの手続き上の必要がなければ任意でした。それが、期限内に名義変更をしないと10万円以下の過料を科されるようになります。義務化以前は相続した人が不要な不動産を放置して所有者不明の土地が増えていたため、社会公益の観点から対策として打ち出したものです。

 相続登記の期限は、これから相続する人なら不動産を相続で取得したことを知ってから3年以内、4月1日より前にすでに相続している人は2027年3月31日までとなります。

 相続が発生すると相続財産の確認や遺産分割協議(遺言書がない場合)、必要な人は10か月以内の相続税の申告・納付など多くの手続きが必要でしたが、そこに相続登記が加わったことになります。ところが、相続税が課税されない人は申告不要なので手続きが必要とは認識しにくく、見逃してしまうケースの可能性があります。

 相続税には「3000万円+600万円×法定相続人数」の基礎控除があるので、母と子2人が相続人で、遺産が父の残した評価額2000万の自宅とわずかな預金のみ、といったケースでは相続税は発生しないことになります。ただ、そうした場合でも「相続登記」はしなくてはならないので、注意が必要です。

 また、子供が知らないところで親が不動産を所有していたり、親戚の相続に由来する共有持分を持っていたりすることも考えられます。2026年2月2日施行予定の新制度『所有不動産記録証明制度』では、所有者の名前を検索キーにして不動産を所有していたかを全国的に調べられる制度です。この制度を活用すれば簡単に親の所有不動産が見つかる可能性が高くなります。制度の開始後は、積極的に活用して親が不動産を所有していたかを把握するように努めるといいでしょう。

 法務省は先月28日付で相続登記申請義務化に関するホームページをアップデートしています。心当たりのある方はご一読されることをお勧めします。
【ご参考リンク(法務省)「相続登記の申請義務化について」】
 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html#mokuji10

 ご不明のことがございましたら弊所でもご相談をお受けいたします。

厚労省が令和6年度「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国で実施中(7/31まで)

厚生労働省では、全国の大学生等を対象として、特に多くの新入生がアルバイトを始める4月から7月までの間、「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国で展開しています。
読者ご自身や周りの方がいわゆる「使い捨て」の被害に遭わないように、アルバイトの労働条件についてご自分で確認し、おかしいと思ったら総合労働センターや労働条件相談ほっとらいんに相談するよう呼び掛けています。
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/pdf/torikumi_parttime2_2024.pdf

また事業主の方に対しても注意喚起の呼びかけを行っています。
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/pdf/torikumi_parttime3_2024.pdf

お互いに気持ちよい職場にするためにも労働関係法令の確認と遵守をしたいものですね。

東京出入国在留管理局松戸出張所の担当地域が拡大します(2024年4月1日~)

東京出入国在留管理局松戸出張所の担当地域に2024年4月1日から
東京都「荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区」が追加されます!

これまでの担当地域であった、千葉県・茨城県に加えて、東京都の荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区が追加されます。

※2024年3月29日までに行った申請については、同年4月1日以降も、原則として申請した入管官署で結果を受取ることになりますので、ご注意ください。

※荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区以外の都内各市区町村は追加対象外となりますので、引き続き、担当地域となっている東京出入国在留管理局本局(品川庁舎)又は立川出張所において申請をお願いいたします。

提携会議室を拡充しました(京王井の頭線高井戸駅から徒歩3分)

この度、京王井の頭線高井戸駅から徒歩3分のところに新しく提携会議室を開設いたしました。井の頭線沿線の方はもとより、中央線や京王線方面からもお越しになりやすい場所です。弊所でのご相談あるいは主要駅近くの提携会議室、ご自宅、オンライン打合せに加えて選択肢の一つとしてご活用いただければ幸いです。

ご相談をお申し込みの際は、ご希望の場所をご遠慮なくお申し付けください。
お問合せをお待ちしております。

スタートアップ起業をお考えの皆さんに朗報です!

小規模でシンプルな形態の会社をスピーディーに設立したいという起業者のニーズに応えるため、株式会社を設立する際の定款認証について日本公証人連合会による以下の新しい3つの取り組みが始まっています。

  1. 発起人が3名以下の株式会社設立のための定款作成支援ツールを公開しています。(https://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/startup.html)
  2. 現時点では東京都と福岡県に限定ですが、この定款作成支援ツールを利用しかつ添付書類が適正に用意されている場合は、申請して48時間以内に認証を完了する試行運用が始まっています。
  3. 公証人による面前審査手続きは原則としてウェブ会議で行うことになります。(全国で、2024年4月から)

このうち、とりわけ定款作成支援ツールは法務省の協力も得て、法令上必要とされている記載事項をもれなく記入することができ、認証の事前チェックで指摘されがちな記載漏れを防げるなど、起業する側にとってのメリットが大きい施策です。

起業を考えておられる方は上記のサイトをご一読されてはいかがでしょうか。
(ただし、このツールで作成される定款は、小規模で取締役会を設置しない機関設計の場合に当てはまる内容になっています。特殊な形態をお考えの場合は、ご自身で作成されるか、専門家の助言を得るようにしてください。)

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